楡林窟(ゆりんくつ)
榆林窟 / YuLinKu / ユーリンクー
安西県の南70km、祁連山脈の渓谷にある。構造、内容、様式ともに莫高窟と非常によく似ており、莫高窟の姉妹窟といわれている。上下二層構造で洞窟は全部で42窟。唐代から元代までの塑像1,000体余りが残っており、壁画の総面積は1,000㎡にもなる。莫高窟と異なるのは絵師の署名が多く残っている点で、石窟芸術を研究する際の貴重な資料となっている。
代表的なものは25窟、3窟、29窟で、「西方浄土変」と「観無量寿仏経変」に描かれる天国の世界や楼閣は唐代芸術のレベルの高さを示すものである。この二つの壁画の模写は、敦煌壁画の代表として、人民大会堂の甘粛庁に飾られている。五代、宋代初期、西夏、元時代の各題材は多岐にわたっており、当時の生活を垣間見ることができる。また、29窟にある「玄奘取経図」は、謎の多い西夏文化を研究するための貴重な資料であろう。

